本・映画の紹介

超・殺人事件  著:東野圭吾 レビュー・まとめ

東野圭吾さんの短編集は「恋のゴンドラ」を読んで以来ということになります。

というか、東野圭吾さんの本がそれ以来でした。

小説紹介 『恋のゴンドラ』 著:東野圭吾小説紹介で「恋のゴンドラ」を取り上げます。 東野圭吾さんの本で、連作短編集となっています。読みながら、好きなキャラクターが出来ました。タイトルになっている「恋のゴンドラ」のハラハラドキドキは良かったです。...

 

今回読んだ「超・殺人事件」ですが

結論からいうと、短編集ということもあり「圧倒的読みやすさ」でスイスイと読むことが出来ました。そして、どの作品も満足度の高いものでした。

 

読んでいて声に出して笑ってしまうような話も多いのですが、「ほ~そうなるか~」と技ありなものもあり、とても楽しく読むことが出来ました。

 

超・殺人事件  著:東野圭吾 レビュー・まとめ

「超・殺人事件」の目次を見ると全て

「超○○殺人事件」となっていました。

・超税金対策殺人事件

・超理系殺人事件

・超犯人当て殺人事件

・超高齢化社会殺人事件

・超予告小説殺人事件

・超長編小説殺人事件

・魔風館殺人事件(超最終回・ラスト5枚)

・超読書機械殺人事件

目次を見ただけで、正直「これはちょっと読むのやめたいな」と思ったのは

「超理系殺人事件」でした。想像では難しい言葉がたくさん出てきそうな予感しかしませんよね?

 

ですが、何と驚いたことにこの「超理系殺人事件」がこの短編集の中で

【一番のお気に入り】となりました。

しかもダントツでした

 

内容

どの話も、ミステリー小説を書く作家さんが出てきます。

編集者さんなどその作家の「何らか」を担当している人が出てくる。というのが基本的な話の特色と言えます。

 

それでは一つ一つの話の内容を簡単に紹介していきます。

 

 

超税金対策殺人事件

ある作家は北海道旭川を舞台にした小説を書いていた。

 

その作家は昨年収入が多かったため今年は多額の納税を控えていた。

それは、金額を見た妻が腰を抜かして倒れてしまうほどのものだった。

 

作家は税理士を家に呼んだ。

作家は「何とかならないのか」と聞くが税理士は「今の段階で経費で落とせるものはほとんどない」と話す。

経費に落としたいもの

・ハワイでの買い物とゴルフ代

・婦人用コート

・紳士用品(スーツ・シャツ・ネクタイ・靴)

・パソコン

・カラオケの機械

 

北海道を舞台にした小説にどうやってハワイを入れ込むのか!

と思ったが、無理やり小説に入れることに成功する

言っておくが、ここまでですでに小説はメチャメチャになっている。

 

経費に落としたいもの

・風呂場改築 56万円

・自動車修理 19万円

・掛け軸   20万円

・壺     33万円

・妻が出してきたスーパーの買い物レシート

 

そんな状態で「風呂場改築」や「壺」などを物語に入れることは出来るのだろうか・・・

 

実際には、完成した小説を読むことが出来るのだが声に出して笑ってしまうくらいのものになっている。立ち読みは避けて周りに人がいない所で読むことを推奨します。

 

本の紹介で小遣い稼ぎが出来るサイト 【ブックレコメンド】本の紹介をすることで小遣い稼ぎが出来るブックレコメンドというサイトがあります。2020年に出来たばかりのサイトなのですが、読者だけでなく著者や出版社の方向けのサービスも増えてきています。新人作家さんや出版社の方にも知ってほしいサイトです。...

 

超理系殺人事件

最初にも書いていますが、個人的に一番期待していなかったにも関わらず

ダントツでお気に入りになった物語です。

 

この話の表紙には以下のように注意書きが書かれてあります。

★この小説が肌に合わない人は飛ばし読みをしてください★

 

この言葉を素直に受け取り、途中出てくる難しい言葉での説明ややりとりは「受け流す」ように読みました。

 

≪話の内容≫

ある主人公は普段本屋で本を買うときは文庫本と決めている。

しかし、その日はハードカバーのコーナーで「超理系殺人事件」という本を見つけてその本に惹かれて立ち読みを始めた。

 

その本の内容は

ある博士が死亡しており警察は老衰を主張しているが、同僚である科学者たちは「老衰は考えられない」ということを科学的根拠を用いて警察に主張する。

 

その科学的根拠の部分が何が何やらさっぱり分からないのだが飛ばし読みするぐらいの気持ちで読んでもらって大丈夫です。

 

途中で、冒頭の主人公の視点に戻る。

主人公はその本をいたく気に入り、本腰で読まなければならないと購入し近くの喫茶店で読み始めることにした。

 

そこで分かるのだが主人公は「理科の先生」をしている。

その本に書かれている科学的な部分の話もしっかり理解しようと読み込むため時間がかかっていた。

 

 

最終的にこの話は「意外な結末」を迎える。

読み終えた直後、誰かと一緒にこの話について語り合いたくなるくらい気に入ってしまった。

 

個人的には「何かしらの大きな本の賞」を受賞するくらいの名作だと思っている。

 

超犯人当て殺人事件

売れている作家から呼び出された会社の違う4人の編集者。

 

その作家は昔大ヒット作を出し本が売れるようになったが、以降に発売される本は大ヒット作を上回るものではなかった。

 

しかも、最近は新作を出していない。

昔の単行本を少しリメイクした文庫本を出版する。というような具合だった。

 

その作家が会社の違う4人の編集者を呼び出して何を企んでいるのか

それは・・・

呼び出した4人の会社とはまた別の会社で「新作の短編小説」を出版することになっていた。

その短編小説が「犯人当て」になっており、それが次号で発表されるとのこと。

 

4人のうち最初に犯人を当てた会社に「新作の長編小説」を渡すという

ある種のゲームが行われることになった。

 

4人の編集者たちは、他の人が先に犯人を当てないかという焦りを感じながらも一生懸命に考えた。

 

しかし、翌朝

犯人当て小説を書いた作家が殺されていた・・・

 

 

この話は、最後にどんでん返しの連続が待っている。

正直、ゲームを言い出した作家が殺されるまでは予想が出来ていた。

しかし、そこからの怒涛の展開には驚かされた。

 

自宅で映画を楽しめるサービス「UーNEXT」(無料登録はこちら)

 

超高齢化社会殺人事件

いまだに「手書き原稿」「喫茶店で原稿の受け渡しをする」という藪島(やぶじま)

 

90歳という高齢ということもあり

「最近ボケてきているのではないか?」と噂になっている

・同じ文章が続く

・話の辻褄があっていない文章

その藪島を担当しているのは「小谷」

その小谷も藪島の異変には以前から気付いていた。

 

そして、今回は連載している小説が今回最終回を迎えるにあたり、その原稿を見せてもらうために喫茶店にきていた

 

原稿を持ってきたが藪島は書いている小説の状況をまったく覚えていなかった。

色々な話がごちゃ混ぜになっていたり、違う話の登場人物が出てきていたりと話がかみ合わない状態になっていた。

 

編集者の小谷ががっかりしながらもこれまでしてきたように自分で物語を考えて完成させるのだが・・・

 

 

この話については、最後どうなるんだろうか?

と予想が付かなかった。

 

超高齢化社会を実感させられるオチが待っている

 

 

超予告小説殺人事件

松井という作家が書いた小説とまったく同じように現実にも殺人事件が起きている。

しかも2つそれが続いた

担当の遠藤は、それを利用して松井の知名度をあげようとする

だが、うまくいかない。

遠藤「もう一つおこらないかな・・」とつぶやくように話した

 

すると三つ目の事件も起こった

 

警察は小説を書いている松井を疑い始めるが

遠藤は「松井の小説の増刷が決まった」「雑誌が飛ぶように売れている」と喜ぶ

 

松井は複雑な心境のまま次のストーリーを考え始めたとき

「俺が犯人なんだけどね・・・」という電話がかかってきた・・・

 

 

この話については、実際に殺人を実行している犯人については予想通りだった。

しかし、予想通りだったのはそこだけで最後の結末は意外なものだった。

 

松井はうまくやったのだが・・・

 

電子書籍もある「UーNEXT」(電子書籍無料登録はこちらから)

超長編小説殺人事件

葛原の書いた「砂の焦点」という小説

出来が良いが原稿用紙800枚が【少ない】と問題になっている

 

葛原は最初800枚では多いと言われると思っていたが、編集者の答えは逆で驚いた。

 

葛原はあまり売れた作家ではない。本人も自覚している

編集者は「2000枚を目指しましょう。葛原渾身の2000枚とうたい文句をつけると売れますよ」と鼻息が荒い

 

葛原は何とか枚数を増やすことに成功し1883枚にすることが出来た。

不本意ではあるが、本を出すことにした。

 

しかし、結果はあまり売れていなかった。

 

編集者は「増やしいなければ、もっと売れていなかった」というが葛原は疑っていた。

そこで編集者が「証拠をお見せします」と葛原とともに書店にいく

原稿用紙の枚数を強調したものは平積みされているが

 

600枚程度のものは奥の本棚にしか置かれていなかった

 

今の世の中は原稿用紙の多さで売れる本、売れない本が分かれているということを葛原は思い知らされた。

 

編集者は「次は3000枚でいきましょう」と枚数を先に行ってきた

葛原はすでに考えていたものがあるが、それは500枚で書けるものだった

編集者は「とにかく見せてほしい」とその原稿を見て、3000枚にする作戦を考えて葛原にアドバイスをした。

葛原は500枚で完結できる物語を何とか3000枚にした。

 

 

いよいよ本が出版されるという時期になりある情報が舞い込んできた

葛原が次に出すものと同じような「野球ミステリー」を別の作家も長編で出すというものだった・・・

 

 

世にも奇妙な物語風の話で面白かった。

しかし、もし本当に話の長さだけで本の価値が決まる世の中になるのは嫌だな・・・と思った。

 

魔風館殺人事件 (超最終回・ラスト五枚)

3ページしかない話

最終回でいよいよ犯人を発表する。という場面だが、途中で作者の「何も考えていないのにどうしよう」という心の声が漏れ続けている。

 

この最終回はいかにして終わるのか・・・

 

3ページしかないので、息抜きのように読んだのだが

クスっと笑えるオチになっている。

 

 

超読書機械殺人事件

色々な本を読んで書評を出して生活している書評家が主人公。

書評家は読まないといけない本が膨大だ。

そこに「ショヒョックス」という機械を売っているセールスマンがやってきた。

 

セールスマン、名前は「黄泉よみ太(よみ よみた)」という

ショヒョックスとは

・本のあらすじや感想・書評を書いてくれる

・書評は5段階設定で「おべんちゃら」から「酷評」まで選べる

 

書評家全員がそれを使う用になり、書評家の特徴に合わせて印刷されるようになるオプションまで販売された。

 

その後もショヒョックスは広く使われるようになり

受賞作品も実質ショヒョックスが決めているような状況になった。

 

そんな時代になり、黄泉よみ太は今度は別の所へ別の機械を売りに行くのだが・・・

 

 

このショヒョックスを売りに来る「黄泉よみ太」だが、この話の最後に非常に印象に残る言葉を言っている

それを読んで、この本を最後まで読んだ読者は何を思うのか・・・

「ラプラスの魔女」 映画ネタバレ無しで紹介東野圭吾さんの原作「ラプラスの魔女」の映画を観ました。ネタバレ無しで紹介します。ただの犯人探しではない空想科学ミステリーです。難しい内容も入っているのでしっかりと腰を落ち着けてみることをおススメします。...

 

まとめ

「超長編小説殺人事件」と「超読書機械殺人事件」では話の中で人は死んでいない。

しかし、その2つの物語で本当に人は死んでいないのだろうか・・・

 

個人的には「死んでいる人」が出ていると思う。しかも、大勢の人が死んでいると思うのだがこの本を読んだ人はどう思うのだろうか。それを知りたいと読み終えて思った。

 

繰り返しになりますが

どの話も面白かったし、あっという間に読むことが出来ました。

まさか「超理系殺人事件」がダントツのお気に入りになるとは思いもしませんでしたが・・・

 

東野圭吾さんは「ラプラスの魔女」や「ガリレオシリーズ」難しいものを題材にした話も書くなかで、今回のような気軽に読める本もかけて守備範囲の広い作家さんだと思う。

 

今回の「超・殺人事件」は普段本を読まない人にもおススメしやすい一冊でした。

 

ABOUT ME
一番センター駿太
読書が好きなオリックスファンです。 このブログでは僕が読んでよかった本の紹介や、オリックスバファローズの情報を公開していこうと思っています。