今回は藤石波矢さんの「#チャンネル登録してください」を読んで記事を書いていきます。
前回は、地下アイドルの炎上をテーマにした一冊「#柚莉愛とかくれんぼ」を紹介しました。

今回も今の時代ならではのYoutuberが出てくる物語「#チャンネル登録してください」を紹介します。
「Youtuberが恋をしてみた」と帯にありますが、完全なラブストーリーではないと思いました。
#チャンネル登録してください 著:藤石波矢 ネタバレ無しで紹介 【Youtuberの恋物語】
読書メーターというアプリで他の方の感想を見てみると、後半の急な展開がちょっと・・・というのが散見されました。
登校されている感想自体少ないのもあるかもしれません。
読み終わって、個人的にはそこまで「最後の急な展開」というのは気になりませんでした。
この本は、夜勤一回で9割分を読み切ることができるくらいスラスラと読むことが出来ました。



あらすじ
大学生の希絃(きいと)とYoutuber「天気アメンズ」がこの物語の中心人物です。
・環花(わか)
・亮太郎・・・環花の兄で「天気アメンズ」のリーダー
・直紀・・・亮太郎と友達、環花を「天気アメンズ」に誘った
希絃は何に対しても自信を持てずに過ごしていた。いわゆる「ぼっち大学生」という立ち位置。
この「ぼっち大学生」というのは他人にはほとんど言ってこなかった秘密が原因にもなっている。
そんな希絃が通学中の出来事がきっかけでYoutuber「天気アメンズ」の環花と出会うことになる。
希絃と環花はそれぞれ「顔」にまつわることで悩みを抱えていた。
お互いに気になる存在ではあるのだが、なかなかかみ合うことが無い期間が続いてしまう。
序盤の希絃の環花に対する言動は違和感をかなり抱くことになると思います。勘の鋭い人や知識が豊富な人は「もしや・・・」と思うかもしれません。
この違和感の正体は読み進めて行くと分かります。
※違和感の正体がこの本の核になります※
少しずつ関係を築くことが出来てきた希絃と環花
二人の関係だったのだが、徐々に希絃とYoutuber「天気アメンズ」としての関係が築かれていく
希絃は自分の秘密を「天気アメンズ」のメンバーに打ち明けていく。
そして「天気アメンズ」のメンバー直紀の機転もあり「Youtuberやってみない?」と誘われる
希絃の過去
希絃は学生時代にいじめられていた過去があります。
この「いじめ」の描写が細かく出てくるシーンがあるのですが、かなり胸に来るものがあります。
学校でなくても社会に出て「いじめ」のような事を経験している人はこのシーンは涙するかもしれないし、希絃の苦悩・無念さを自分の事のように感じると思います。
恋愛物語ではあるけれども
本全体としては希絃に前向きになってもらおうと環花がいろいろと働きかけをするという感じです。
恋愛物語というより「人としての成長」がメインとなっていると言える内容です。
「自分の代わりはいる。でもその代わりは自分にはなれない。」
まとめ
今回はYoutuberが物語の中心人物として出てくる「#チャンネル登録してください」を紹介しました。
恋愛要素もありますが、人としての成長を描いている作品だという印象を持ちました。
「#柚莉愛とかくれんぼ」と同じく、今の時代多くの人に馴染みがあるYoutuberの話なので手に取りやすいと思います。
300ページほどありますが、スラスラと読むことが出来ました。