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バッティングピッチャー 背番号三桁のエースたち レビュー

この本はツイッターでたまたま見つけました。

バッティングピッチャーに焦点を当てた本ですが、僕はスコアラーやスカウトなど

「裏方」と言われる人々の事に興味があったのでバッティングピッチャーにももちろん興味がありました。

 

そんな経緯があり購入し読了したので記事にまとめます。

 

 

バッティングピッチャー 背番号三桁のエースたち レビュー

バッティングピッチャー

打撃練習の時に投手をする人の事を言います。

「打撃投手」とも呼ばれる。

「バッピ」と略して呼ぶこともあります。

 

チームに10名弱くらい所属していますが、打撃練習の時しか役割はありません。

細かく言えば、用具係やスコアラーを兼任している方もいます。

打撃練習以外の時は練習の手伝いをしています。

この本の構成

・日本を代表する打者に投げる

・かつてスター選手だったバッピ

・バッティングピッチャーを襲う病魔

・孤高の三冠王「落合博満」に投げたバッティングピッチャー

・熟練の技術、プライド

・打撃投手はいつ生まれたか

・打撃投手が「天職」 ジャイアンツ 白井正勝

・打撃投手が見たONの素顔

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バッティングピッチャーとは

バッティングピッチャーの多くは「元プロ野球選手」

戦力外通告を受けた選手が第二の人生としてこの道を選びます。

 

この打撃投手という文化は日本独特のもので、アメリカや台湾など他国の野球文化には無いものなのです。

大半のバッティングピッチャーが通る道

・やり始めは、上手く出来て楽しいと感じる

・2ヶ月すると壁にぶつかる

このパターンが非常に多いようで、壁にぶつかりそれを越えられないまま辞めていく人も多いようです。

 

・現役時代のように思いっきり投げなくて良い

・打者に打ってもらうように投げる

ということで少し気楽そうなイメージを抱きがちかもしれませんが、加減をして投げるというのは難しいもののようです。

 

また、打者の方から細かい注文があるようでそれに応えようとするほど自分のフォームや感覚が分からなくなりストライクが投げられなくなるという悪循環に陥りやすいというのもあります。

 

 

ちなみに、打撃投手も各チームの「査定担当」から査定を受けるそうです。

打撃コーチなどの助言も聞いて査定され契約更改があるとのこと。

 

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名打者による違い

この本を読んで分かったのは

往年の名打者は打撃投手に自分の調子を聞く。そして、修正するポイントも聞いてそれを受け入れるということです。

 

初めにも書いていますが、戦力外通告を受けて打撃投手になる人がほとんどです。

そのため、現役の打者からすると「自分より下」という構図になってしまいますが、見下すことなく助言を受け入れる選手が名選手になっていっています。

 

コーチや監督ではなく打撃投手に助言を求める理由として名打者が言う事

・自分の打撃を正面から見ているのは打撃投手(コーチや監督は後ろから見ている)

・いつも自分のことを観てくれているので小さな変化に気づく

 

名打者の共通点はここまでに書いてきましたが、打撃投手に求めるボールはそれぞれ違いました。大きく違っていたのが「落合博満さん」「門田博光さん」でした。

 

落合さんは「とにかく遅い山なりのスローボール」を打撃投手に求めます。

・遅い球を打てない人は速い球を打てない

・速い球は打ち出し(動き出し)を早くすれば打てる

という考えから来ています。

 

門田さんは「何キロとかではなく、全力で投げてほしい」と打撃投手に注文を出します。

・速い球を打てれば遅い球を打てる。

・実際に試合で遅い球も打てていた

という考え、実績を残していました。

 

正反対の要求ですが、その打者によって打撃投手に求めるものが違うということがよく分かる話でした。

 

名打者は自分がタイトルを獲った時やお世話になった打撃投手が他チームへ行くなどでもう練習パートナーに選べなくなった時などの節目でお祝いをしています。

お祝いの仕方は人それぞれですが、打撃投手がいたから今の自分があるという考えが根底にあります。

 

 

打撃投手を長く続けるために

多くの打撃投手が悩まされる病があります。

それが「イップス」です。

 

まだ分かっていないことが多い病気ですが、精神的なものがきっかけで今まで普通に出来ていた「ボールを投げる動作」が出来なくなるというものです。

 

打撃投手がボールを投げられないというの即解雇につながりますが、このイップスに悩まされる人が少なくないようです。

 

加減をして投げるということで微妙に手元が狂いチームの主力打者にボールをぶつけそうになった。などのきっかけから発症することがあります。

 

自分ではストライクのつもりなのに、打者が続けて見逃されたり打者から舌打ちをされたことが原因で発症するケースもあります。

 

イップスは精神的なものが原因ですので

「真面目な人がなりやすいと言われています。

 

しかし、イップスの治し方は正式には見つかっていません。

「イップスはなったことがある人にしか分からない」という病ではたから見るとなぜボールが投げられないんだと思ってしまいがちですが、本人にとっては死活問題です。

 

打撃投手を長く続ける秘訣

打撃投手は他者の言う事を聞き過ぎない。気にしない。「自分は自分」

 

イップスは真面目な人がなりやすい

というのを書きましたが、そういう人は打者の言う事や仕草を気にしてしまい潰れてしまうことがよくあるようです。

 

少しくらい打者が見逃したり、舌打ちをされたりしても「自分は自分」というくらい割り切っていないと続けられないと打撃投手を長く続けている人が本書で語っていました。

 

印象に残った言葉

「打者が打ってくれるところがストライク」

ストライクゾーンだけがストライクじゃないということです。

打者が打ってくれるところに投げようとすると気が楽になるということですね。

 

これも打撃投手を長く続ける秘訣になるのでは?と思いました。

 

 

本の中にあった羨ましい出来事

打撃投手と直接関係ないことなのですが、本書の中で今では見られない羨ましいことが書かれてありました。

 

それはイチローがメジャーに行く2年前くらいの話

ほっともっとフィールド神戸で行われたオープン戦でイチローと松井秀喜のホームラン競争が行われたそうです。

 

オープン戦でホームラン競争!?

と読みながら驚愕しました。

 

 

野村克也氏の胸アツなお言葉

ヤクルト監督就任時にブルペン捕手と打撃投手を呼んで

「お前たちの力と助けが必要。これが一番大切なことや。君たちの必要性をフロントにも伝えておく」

優勝時ではなく「監督就任時」というのがポイントだと思います。

「裏方」と呼ばれ決して陽の目を見ることの無い打撃投手とブルペン捕手。

 

その人たちに向かっての言葉ということで胸がアツくなりました。

「俺は月見草」と言っていたノムさんもブルペン捕手から野球選手を始めているので、心配りが出来たんだと思います。

 

 

まとめ

今回は「裏方」と呼ばれるバッティングピッチャーに焦点をあてた本を紹介しました。

 

本の中でバッティングピッチャーを「裏方」という響きは良くない。「専門職」だと思っているという言葉もありました。

 

誰でも出来る仕事ではないので「専門職」という言葉の方が合っていると思いました。

 

名打者は「恋人」と言われることが多い担当の打撃投手なくしては生まれませんでした。

逆に名打者なくして良い打撃投手は生まれません。

 

お互いが成長を助け合う関係性ということがこの本を読めば分かると思います。

 

今後プロ野球が開幕して現地観戦に行ったときに打撃練習では打撃投手を今まで以上に注目しようと思いました。

 

ABOUT ME
一番センター駿太
読書が好きなオリックスファンです。 このブログでは僕が読んでよかった本の紹介や、オリックスバファローズの情報を公開していこうと思っています。