今回のオリックスバファローズ、選手紹介は【張奕(ちょう やく)】選手です。※以下、敬称略
※僕のYouTubeチャンネルから引用しています※
オリックスファンになりたての方に向けて書いていますが、オリックスファン歴が長いぜという方にも「意外な発見」があったら良いなという想いも持って記事を作りました。




オリックス 張奕【陽岱鋼に憧れて野球を始めた。投手転向の異色の選手】
生年月日:1994年2月26日
出身地:台湾
身長・体重: 182cm 86kg
投球・打席:右投右打
ポジション:外野手⇒投手
2016年育成ドラフト1位でオリックスバファローズ入団。
出典元Youtube パーソル・パ・リーグTV公式 B張奕 6回2安打1失点の好投でプロ初勝利!!《THE FEATURE PLAYER》 より引用
プロ入り前
張奕選手がプロ野球選手になるまでを振り返ります。



小学3年から野球を始める
中学までを台湾で過ごしています。小学3年から硬式野球を始めています。
いきなり硬式野球から始めていますが、台湾では軟式野球は無いのかなと思い少し調べてみました。
軟式野球は日本が発祥となっているものです。ですので、世界に目を向けると「野球=硬式」という図式が成り立っています。
日本以外は小学生から硬式野球が基本だそうです。
ということで張奕も硬式野球から始めたということです。
福岡第一高校時代
7歳上の従兄である「陽岱鋼(現巨人)」に憧れから福岡県の福岡第一高校に進学しました。
福岡第一高校では1年秋から外野手でレギュラーを獲得しました。
3年夏の県大会で打率.321 本塁打2 打点9を記録。ライト兼ピッチャーとして主に1番打者として準優勝を達成しました。
投手としては全てリリーフで5試合(25イニング)に登板しました。
決勝では6回4安打無失点の好投でした。
高校通算20発の実績がありプロ志望届を出しましたが、ドラフト指名されることはありませんでした。
それによって日本経済大学への進学を選びました。
日本経済大学時代
1年春からライトでレギュラーとして試合に出場していました。
高校時代から引き続き1番打者として16安打11四死球の活躍、打率.314(8位)盗塁3で外野のベストナインに輝きました。
秋の大会では2割台前半の打率ながら9打点を稼ぎ、新人王、特別賞(満塁ホームラン)に選ばれました。
2年春にはソフトバンク戦でレフトへソロホームランを打ちました。
春季リーグでも打率.350で2度目のベストナインに選ばれました。
秋の大会では打率.128で終えました。(秋の大会では活躍出来ていません)
3年春にはリリーフとして試合に出場
3年秋には再びライトのレギュラーを任されますが、春・秋ともに打率2割台前半と苦しみました。
4年秋に5季ぶり3度目の打率3割を記録。10試合で4ホームランで本塁打王のタイトルを受賞しました。
4年間で打率3割を3度記録していますが、1、2割台前半の時もあり浮き沈みが激しかったです。確実性に課題が残っていました。
2016年育成ドラフト1位でオリックスバファローズに入団しました。



足と肩が注目されオリックスに育成ドラフトで指名されました。
本人も「肩に自信を持っている」と話しており、それがあって後に投手への転向となりました。
プロ入り後
ここからは張奕のプロ1年目(2017年)から振り返ります。
野手としては全く結果が出せなかった・・・
1年目、外野手としてウエスタンリーグに59試合に出場しました。
しかし、打率.091、1打点 0本塁打と奮いませんでした。
2年目もウエスタンリーグ公式戦で15試合連続ノーヒットを喫しました。
6月中旬から投球練習を開始しました。
外野手登録のままウエスタンリーグに5試合で投手として登板しました。
通算5イニングですが防御率1.80という成績を残しました。
2019年、投手として再スタート
ポジション登録を外野手から投手に変更。
令和が始まった5月1日に支配下契約へ移行、背番号を98に変更しました。
5月16日のロッテ戦(ZOZOマリン)の8回裏で1軍公式戦デビューをしました。
リリーフとして2試合に登板したのみで出場選手登録を抹消されました。
抹消後は2軍で先発投手として調整をしました。7月11日のフレッシュオールスターでリリーフとして出場。
8月8日の日ハム戦(旭川スタルヒン球場)で先発投手として一軍に復帰しました。
6回を被安打2、無四球、6奪三振、1失点という内容で初勝利を挙げました。
この勝利はNPBの球団に育成契約の野手として入団した選手が投手への転向と支配下登録を経て一軍公式戦の初先発で初勝利を挙げたのは張奕が初めてでした。
※「育成契約の野手が投手に転向」という時点で滅多にない珍しい事※
試合を見ていて、解説の人も仰っていましたが「制球で苦労することは無い」と言い切れるレベルで制球が安定していました。
8試合(先発6試合) 2勝4敗 防御率5.93
プレミア12で神投球
2019年シーズンオフに行われたプレミア12の台湾代表に選ばれました。
ベネズエラと韓国の2試合に先発しました。
合計13回2/3を無失点で凌ぎ、どちらの試合でも勝ち投手になりました。
大会終了後には先発投手部門でベストナイン選ばれました。
この時のプレミア12ではディクソンがアメリカ代表のクローザーを務めていました。
オリックスファンにとっては嬉しいポイントが多かったです。






人柄
ここからは野球の成績面以外にも目を向けていきます。
練習の虫
オリックス公式ガイドブック2020の選手間アンケートで「練習の虫!努力家No.1」でダントツで選ばれています。
・気合が違う
・投手になっても変わらずに、凄い練習をしている
・いつも練習しているイメージ
外野手の時、すごい練習量で結果が出ない。
そうなると心が折れそうなのに、腐らずに練習をしていたのはすごいですね。
教科書の表紙になった
2020年度(9月開始)の中学2年前学期の保健体育の教科書の表紙になることが発表されました。
無名の選手からプレミア12で2勝を挙げて
・最優秀先発投手
・最優秀防御率
・最高勝率投手
の投手三冠に選ばれたことが掲載のきっかけでした。
台湾では母国のスター選手が教科書に起用されることがあるようです。
過去には女子バドミントンで世界1位のタイ・ツーインが取り上げられたことがありました。
教科書の表紙になったことで張奕は
「話をいただいた時は教科書のどこかに少し載るだけだと思っていました。文章だけでなくまさか表紙になるとはビックリしました」と語っています。
ネットニュースで知った時、僕も全く同じことを思っていました。
「えっ!表紙ぃぃ!!!」と驚きました。
まとめ
今回は、育成選手(外野手)としてプロ入りして投手に転向。支配下登録・先発で1軍勝利・プレミア12(ベストナイン)というスターへの階段を一気に駆け上がったオリックスの張奕選手の紹介記事を書きました。
育成選手として1年数か月の間、野手では全くと言って良いほど活躍出来ませんでした。
そこからの投手転向。日本のプロ野球界では投手から野手転向は多くはありませんが「普通にある」ことです。
糸井や雄平など一軍としてバリバリ活躍している選手もいますが、野手から投手への転向はかなりレアです。
しかも、世界大会でベストナインに選ばれるまでになりました。
2020年シーズンはケガもありまだ1軍での登板はありませんが、制球面で苦労することの無さそうな投球は先発ローテーションに入っても活躍できる下地が出来ていると思います。
投手歴自体がまだ短いので伸びしろ充分です。
今後も期待できますね。
オリックスバファローズの公式ページへは下のボタンから