小説『いけない』 著:道尾秀介 感想
ミステリー小説上級者の方向けの一冊だと思っています。
僕は「ミステリー好き」な読書が好きな人間ですが、レベルが高すぎて頭の中に「??」のまま次の章へ行くことが多かったです。
体験型ミステリー?
この本を紹介する時によく使われているいるうたい文句
体験型ミステリー
どういうこと?と思いませんでしたか?
そんな思いでこの本を手に取り、本の裏を見ると帯に
本書のご使用法
・まずは各章の物語に集中します
・章末の写真をご覧ください
・隠された真相に気づきましたか?
・「そういうことだったのか!!」
だまされる快感をお楽しみください。
※再読ではさらなる驚きを味わえます
と書いてあります。
ラスト1ページが暴き出すもうひとつの”真相”をあなたは見抜けるか?
読者も謎解きをしてください。
ということなんです。
読者に対して挑戦的な感じを受けます
ミステリ―好きではあるけど「謎を解いてやるぞ!」とは思わずに「どんな驚きがあるのか?」という感じで本と向き合っているので、正直なところ少しとまどう部分がありました。
とはいえ、かなり注目を集め話題になっていたので購入し読みました。
各章の紹介
この本は4章から成り立っています。
1章 弓投げの崖を見てはいけない
2章 その話を聞かせてはいけない
3章 絵の謎に気づいてはいけな
終章 町の平和を信じてはいけない
一冊を通して分かりやすい(イメージしやすい)描写で書かれてあります。
ですが、最後の1ページに写真があります。その写真を見ての解釈は読者に任されています。
ここが画期的でこの本の特徴なのですが、個人的には苦労した点とも言えます。
自分の解釈で合っているのかという不安を抱きながら読み進めていく感じでした。
2章と3章が好み
僕は2,3章が個人的に好きな話でした。
「2章のダントツの不気味さ」と「3章の写真での”ひっくり返された感”」が凄かったです。
1章がよく分からなかった
2~4章は面白く良い意味で不気味さもあって面白く読むことが出来ました。
しかし、初めの部分にも書きましたが読者への挑戦的な作風に身構え過ぎたのが原因で1章は読み終わったあと「???」となってしまいました。
意味が分からないということではなく「これ(解釈)で良いんですか?」という自問自答に苦しめられてしまいました。

まとめ
僕はこの本は「少し苦労した」という印象が一番に来るのですが、紹介文や帯に書かれていることにとらわれ過ぎたかなと思いました。
各章の最後に写真があって物語がひっくり返されますよ
ぐらいの予備知識で読むのが良いのではないかと思います。
考えすぎるとせっかくの面白い一冊を味わい損ねてしまいます。
気楽な気持ちで読むのも一つの案として捉えてもらえたらと思います。