今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います 感想・内容まとめ
目次
1話・・・今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います。
2話・・・天井の梁(はり)
3話・・・引き継がれ書
一言感想を
1話・・・「なんだよ、早くって言ってくれよ」と笑顔で言いたくなる。
2話・・・「え?」と最後の最後でどんでん返しがある
3話・・・ホラー要素強め。夜中に読むのは控えた方が良いレベル
内容

1話 今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います。
加古川玲美は岸本暁人(上司)を殺したいと思うほどいじめられていた。
家に帰れない日が続くこともあるくらいのひどい職場だった。ある日久々に家に帰った時にまだ元気だったころ出席した友人の結婚式のカタログギフトに目が止まった
何気なくパラパラとめくっていると「金属バット」を目にして「これがあれば上司を撲殺できる」と思い注文した。
家の近所に縁切り神社がありそこはとても有名だった。「○○をこの世で一番残虐な方法で殺してください」というようなことが書かれている絵馬がたくさん飾られている。その神社に玲美も行き、「この世の誰にも私がやったとバレないように、岸本暁人を殺させてください」と絵馬に書いた。それをかける時にふと他の絵馬に「ありがとうございました。」と書かれたものを発見した。以前みた「○○をこの世で一番残虐な・・・」の絵馬と同じ筆跡だった。その絵馬の下に隠した。
その日の夜から、カタログギフトで購入した金属バットをもって岸本係長を撲殺しに行くという夢を毎晩のように見るようになった。しかもそれは、次第に撲殺する場面まで進んでいく。
玲美は「そろそろかな?」と思いながら寝ると、その日の夢の世界で岸本係長を撲殺する。しかし、その時はなかなか夢から覚めない・・・
2話 天井の梁(はり)
鈴木主任の頭上には天井の梁があり、それはとても丈夫にできていた。萩原は時々それを見上げて思っていた「首吊りをするにはおあつらえ向き」だな」と。
派遣社員として勤めていた萩原
ブラック上司(鈴木主任)のもとで「正社員になるため」「自分の入りたい部署に異動するため」と我慢して頑張っていた。ある日出勤すると、鈴木主任から「任せていたあの件どうなった・?」という感じで身に覚えのない仕事のことで話がくる。
鈴木主任に言われた通りパソコンを確認すると、本当に身に覚えのない仕事の依頼のメールがあった。
納期は明日の朝。間に合うはずのない業務量・・・
萩原は鈴木主任がわざとやったのではないかと思った。しかし、最近は特に疲れていたので自分が見落としていただけということも考えられる。
鈴木主任に説教部屋に呼び出されいつものように起こられる。特に今日は機嫌が悪いのか、殴られもした。
その夜「徹夜確定」なのは当然として明日の朝に間に合うのか・・・と不安に思いながら作業をしていた。
ふと、見上げると天井の梁があった・・・
3話 引き継がれ書
主人公・・・相馬菜々(妊娠がわかった)
その同僚(仲間)・・・村上、田所
ブラックな上司・・・佐藤(豚と呼ばれている)
佐藤への愚痴を書く「引き継がれ書」というものが存在していた。それは相馬・村上・田所の3人にしか開くことが出来ない。
そこには、佐藤への罵詈雑言が無記名で好きなように書かれていた。
無記名とは文体や内容から誰が書いたかは分かっているようなもの。しかし、誰が書いたかを詮索しないという鉄則を3人が守っていた。
ある日相馬が書き込もうとしたら一つ前のところに赤い字で
「よげん さいふ おとす」
とあった。
翌日出勤した佐藤は「電車で財布を盗られた」。引き継がれ書に書かれていたことが実現した。
しかし、あれは誰が書いたのか。昼休みに確認すると3人はそれぞれ「自分は書いていない」と話す。
そして、次第にエスカレートしていく赤い文字の「よげん」。3人にしか開けない「引き継がれ書」の赤い文字は誰が書いているのか。佐藤はどうなるのか・・・
この3話目はかなり「ホラー色」が強くなっています。
この3話目を僕は夜勤中に読んだのですが、かなり怖かったです。
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まとめ
どの作品も、最後は少し明るいハッピーエンド寄りの展開になっている。
正直どの作品も面白く好きなのだが、やはり本のタイトルになっている「今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います」が一番好きだった。
最後読み終えて「なんだよ、言ってくれたらよかったのに」と笑顔で言いたくなった。
この本を読んだ方には、どんな気持ちで言いたくなるのか分かるはずだ。
どの作品も出てくる上司はいわゆる「クズ」ではらわた煮えくりかえりながら読むこともあった。しかし、どの作品も最後はその上司は痛い目に会うので自分の身近にいる「気に入らない上司」とだぶらせて読むのも楽しみ方の一つと言える。
しかも「上司は上司で辛い思いをしていたのだ」というような上司をかばう目線が無いので一方的に上司に怒りの感情を持ち、そして悪霊退散のごとく仕返しが出来る痛快な話でもある。
この本の著者である「夕鷺(ゆうさぎ)かのう」さんの
2作目「神様気どりの客はどこかでそっと死んでください」も期待できる


