「本日は、お日柄も良く」感想 著:原田マハ
今回の小説は原田マハさんの代表作と言っても良いものです。
全体的に読みやすく、スピーチライターの話なのでポンポンと名言が出てきます。
勉強にもなる、感動的な名作と言えると思います。
内容
主人公は、OLの「二ノ宮こと葉」
密かに片思いをしていた幼馴染(今川厚志)の結婚式の披露宴に参加していた。
そこで行われた新郎の上司の挨拶がそれはそれは退屈で眠気すら襲ってくるものだった。
あまりの眠気にスープに頭を突っ込んでしまうほど・・・
しかし、その後に登場した久遠久美の祝辞を聞いて感動してしまう。涙するほどに
こと葉は、出会ってしまった「言葉のプロフェッショナル 久遠久美」という神様に
こと葉は久美に弟子入りをしてスピーチライターという仕事について学び
父親の意志を継いで、衆議院選挙に出馬する今川厚志の選挙を手伝うことになる。
勉強になる
この本の冒頭には
『スピーチの極意 十箇条』というものが書かれている。
この本の中にはスピーチとは何たるものや。こうすれば良い。ということがたくさん書かれている。
スピーチライターの話なので、違和感なく出てくる。だから物語の邪魔になっているということはない。
この話全体は青春小説のような晴れやかな気持ちになるものなのだが、スピーチについての勉強にもなり一石二鳥だと感じた。
何かスピーチを頼まれていたり、人前で話をする機会がある方は最初に書かれている
『スピーチの極意 十箇条』だけでも目を通しておくと、大惨事は回避することが出来るのではないかと思う。
天才たちの共演
この話に出てくる主な登場人物は
・「伝説」と呼ばれているスピーチの達人
・「言葉の神様」と呼ばれている人の弟子
・上記二人から一目置かれた主人公
※「言葉の神様」も出てきます。
というように才能に溢れた人たちがそれぞれの力を存分に発揮し、正々堂々とぶつかり合う。
誰かが裏で悪だくみをしたり、裏切ったり・・・ということは全く無い。
スピーチ(言葉)のスペシャリスト達が実力を惜しみなく発揮しまくる話です。
「天才たちの共演」を純粋に楽しむことが出来ます。

まとめ
途中にも書いていますが、スピーチのスペシャリストたちが各々実力を発揮しまくる話。
それでいて正々堂々と正面からぶつかり合っている。
感動しないわけがなく、読み終えると清々しい気持ちになれました。
スピーチライターの話なので当たり前なのですが、途中で名言・名スピーチが続々登場してきます。スピーチの勉強をする目的で読んでも良いと思います。
原田マハさんという作家さんはこの本に出会うまでは知りませんでした。
アプリ「読書メーター」でこの本の感想を書いている人を見て、この本に出会ったことで原田マハさんに出会うことが出来ました。
数々の名作がある方なのですが、代表作の一つと言って間違いないものだと思います。