「午前三時のサヨナラ・ゲーム」感想 著:深水黎一郎
この本はタイトルの通り野球好きにおススメの一冊となっております。
短編集となっているため、読書をしないという野球ファンでも気軽に読めると思います。
目次
1 午前三時のサヨナラ・ゲーム
2 野球嫌い
3 ゆく河の流れは絶えずして、しかも
4 もうひとつの10・8
5 もうひとつの10・19
6 生涯徒爾一野球観戦居士
7 言い訳だらけのスタジアム
8 ジェイムス・ジョイスを読んだ元中継ぎエース
9回裏 地球連邦大学紀要 №一二八三八
往年の野球ファンなら今すぐにでも読みたいタイトルが中盤にあるのではないでしょうか?
野球小説というだけあって全9話。最後は9回裏とかかれてあり野球感が随所にちりばめられています。
【朗報】超短編の話がある
とお思いの方もいらっしゃると思います。
そんな方に朗報です
この本には10ページくらいの「本当に短い短編」があります。それがこちら・・・
・野球嫌い
・もうひとつの10.19
・言い訳だらけのスタジアム
この三つの話以外にも10ページと少しという話もあります。

個人的にお気に入りの話
1位 【野球嫌い】
10ページほどの超短編のこの話です。
これはタイトルとは逆で「野球好き」の人は共感できる部分があると思います。
声に出して笑える面白さがあります
2位 もう一つの10.8
ミスターこと長嶋茂雄氏が「国民的行事」と称した
“1994.10・8 中日VS巨人”が題材となっています。
熱狂的な中日ドラゴンズファンの親友が、がんで亡くなった。その親友の家族から一枚のDVDを渡された
そのDVDには、親友が「生涯最低試合」と評していた“1994.10.8”だった
そのDVDに親友は驚くべき仕掛けをしてあった・・・
その他の作品も面白かったり感動したりと満足できるものばかりでした。
とにかく「立ち読み」で良いので【野球嫌い】を読んでほしいです。ただし、立ち読みの場合は声に出して笑わないように気を付けてくださいね。
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まとめ
何度も言いますが野球好きの方にぜひ読んでほしいです。そして、一定の満足感を得て読み終えると思います。
とはいえ、逆に言うと「野球」に興味が無い人にはまったく刺さらない本だと思います。
読む人を選ぶ作品という言い方も出来るとは思いますが、そのあたりはスルーしましょう。
こういう本を手に取る人は、ほとんどが野球好きか野球に興味を持った方だと思いますので・・・
とにかく2話目の「野球嫌い」だけでも読んでほしいです。
この本と同じく深水黎一郎さんの作品で「読者が犯人」という驚きのトリックを描いた作品です。


