辻村深月さん
2018年本屋大賞を「かがみの孤城」で受賞しました。
その「かがみの孤城」が僕と辻村さんの出会いでした。
今回の「朝が来る」は(辻村さんの本なら・・・)と期待して購入しました。
その期待を裏切ることのない一冊でした。
僕の中で辻村深月さんへの信頼は確固たるものへと進化しています。
内容
長くつらい不妊治療の努力も報われず我が子の出産をあきらめた夫婦。
その夫婦は「特別養子縁組」という手段を選びました。
「朝斗」と名付けた我が子は幼稚園に通うまでに成長しました。
そんな時に「朝斗を返してほしい」と実の母親から電話があり・・・
というところから始まります。
特別養子縁組
この制度は
何らかの事情で生みの親が育てることができない子供を、育ての親に託します。
子供と育ての親は家庭裁判所の審判によって戸籍上も「実の親子」と認められます。
特別養子縁組の詳しい制度の説明、流れなどはこちらを参照してください。
本の構成
1章:実の母親から「返してほしい」という電話がある。という所まで
2章:特別養子縁組という選択に至るまで
3章:朝斗の実の母親が我が子を手放すまでの話
4章:結末
という流れになっています。
3章は「ただただ悲しい話」なのですが、そこで辞めずに最後まで読んでほしいと思います。

映画「朝が来る」も観てきました(2020年10月26日追記)
この小説を読んだ時、すでに映画化が決定していました。
読んでいる途中から映画化すれば観に行こうと思うくらいの作品でした。
映画「朝が来る」公式サイト 予告動画より引用
映画は字幕が終わるまで席を立たない方が良い
映画なので、最後に主題歌と字幕が流れます。これが始まると席を立つ人もいますが、この映画に関しては最後まで見ておいた方が良いです。
主題歌「アサトヒカリ」は【C&K】初の映画主題歌となっています。
映画の中でも登場人物が口ずさんだり、流れてきますが映画にマッチした歌詞でした。
字幕と共に流れる「アサトヒカリ」を聞かずに映画館を後にするのはもったいないです。
アサト(朝斗)・・・養子に出された子供
ヒカリ・・・朝斗の産みの親
最後の字幕&主題歌で泣いているお客さんもいたくらいです。
小説を読んで、流れは知っていましたが泣けるシーンが多かったのが印象に残っています。
感想
僕は、独身で結婚願望もかなり少なめです(ほぼゼロ)。
途中で子供が出来ない夫婦の苦労、子供を産んでも育てることが出来ない親の苦悩
などが出てきます。
結婚願望少なめの独身男性ですら、少しきついと感じる場面もありますので途中で読むのを止めてしまうという人もいるかもしれません。
ですが、最後はハッピーエンドとまでは言いませんが
「前向きな気持ち」になれます。
清々しい気持ちで「朝が来る」
と思えますよ


